丹 沢 編
黍殻避難小屋(現在幕営禁止)
1:蛭の話・・・ミミズとちゃうでー
子供達を津久井・焼山方面から蛭ヶ岳へ連れて行った時のことである。途中、黍殻山の横に黍殻園地
という広い窪地があって、ちょうどテントで一泊するには良いところである。(現在は新しい避難小屋が出
来たので幕営禁止)さて、テントを張ってしばらくしたとき、「変なミミズがいる!」と言う声。ピーンときて
すぐさまそれを見れば、やっぱり”ヒル”がのこのこテントの上を這っている!「オイオイオイ、こいつはヒル
と言って、動物の血を吸うんだ。それがまた、知らない間に皮膚にはり付いて、満腹になるとポロッと落ち
る。途中、無理矢理取ろうと思っても頭は皮膚に食い込んだままだし、血らだけになるぞー。」と言うと、さ
すがに子供達もビビル。丹沢では札掛あたりの山道にうじゃうじゃヒルがいて、歩くのに大変苦労した覚
えがある。骨もないくせに一丁前に立って、頭をぐるぐる回転させて獲物をねらっている姿を見ると、こい
つのちゃっちいDNAに受け継がれてきた情報の恐ろしさに愕然とする。(ちょっと大げさな表現だったか
な。)どんな小さな隙間でも入り込んで来るので、一旦、登山靴の上部まで登り切ってしまうと手に負えな
い。だから、前の人の靴なども登山中はよく見ていてあげよう。鹿の爪の間に入って移動するらしい。
もし、吸い付いているようだったらタバコの火を近づけて「アッチイ!」と敵がヒルんだスキに取ってもらうよ
うにする。
2:月見の話・・・丹沢・姫次
秋の夜は姫次でお月見と行こう。左に蛭ヶ岳、正面に檜洞丸、右に大室山、奥に富士山、そして上に
まんまるお月さんと、これはもう絶景としかいいようがない。すぐ脇にはススキが風に揺らめいている。
背後にはカラマツ林が静かに控えている。笹の葉でも煎じて茶にして飲もう。秋の夜のすばらしさを十分
に堪能したら、夜道を黍殻避難小屋まで歩こう。ライトがあればさほど危険な所もない。黍殻避難小屋は
快適だ。大・小の部屋とトイレも外にいいのができた。大きい部屋にはでかいストーブがある。薪でも拾っ
てくれば十分使える。(ただし、煙突の調子が悪いと煙が部屋に充満する。)10人くらいは楽に泊まれる。
3:丹沢・鍋割山荘の話・・・太郎冠者さん
山荘の主・草野さんは面白いし、力はあるし、いい男なので妻は彼の大ファンである。この鍋割山荘は
食事が豪華なので、泊まった人たちは大満足だろう。夜も江ノ島から富士山辺りまでの夜景がとても美し
い。このホームページの奥丹沢愛好会の富士山の写真もここから撮ったものである。ただ、山荘近くには
水場がないので、ボランティア精神あふれる人は、是非、登り口に置いてある水道水が入ったペットボトル
を小屋まで担ぎ揚げよう。
さて、3月下旬になると楽しみがひとつある。この小屋に面白い人が現れることがあるのだ。虎ノ門の料
理屋「太郎冠者」のお兄さんである。大きな体で声もでかい。大トロの刺身やおいしいゆばなどを持ってき
てくれるので、山小屋の皆でご賞味にあずかる。そして、お酒を飲んで皆で、山の歌を歌う。彼は100曲
近いレパートリーがある。洒落のきいた話や山の経験を聞かしてくれることもある。草野さんも真っ青、彼
が泊まった夜は、もう主は交代という感じだ。
残念なことに2002年は彼に会えなかった。また、大型連休前後には鍋割山荘に泥棒が入ったと聞いた。
太郎冠者さんと正反対の許しがたい人間が山にやって来るようになったのか。